NBAドラフト 2019年指名候補 PF編
PF編です
Zion Williamson
デューク大1年、6-6
主要スタッツ:30.0M 22.6P 8.9R2.1A 2.1S 1.8B
予想指名順位:ESPN:1 draft.net:1 CBS sports:1 tankathon:1 the ringer:1
皆さんご存知であろう今ドラフトの目玉。各種予想サイトが全て1位予想していることからも分かる通り他の候補を大きく引き離す圧倒的な1位候補です。
最大の武器は超人と呼ぶにふさわしい身体能力。身長こそやや低いですが130kgを超える体重に爆発的な運動能力を備え、ジャンプ力は驚異の45インチ(約115cm)。衝突した際の衝撃力はジープ並みと試算されています。しかし、彼を確実な1位指名に押し上げたのは身体能力だけではありません。事実高校時代のランキングは身体能力以外の長所がないことを懸念され5位とバレットやレディッシュよりも低く、大学で評価を上げた選手でもあります。非常に自分の身体能力を活かす術に長けており、オフェンスでのポジション取り、リバウンドの嗅覚、ディフェンスでの反応のよさ、高いバスケIQ、ハッスル、優れたハンドリングが超人的身体的能力をバスケに反映させることを可能としています。
1番の懸念材料は怪我。圧倒的な身体能力と130kgという全NBAの中でも2位に相当する体重が特に下半身に巨大な負荷をかけており、シーズン中シューズが動きに耐えられず裂けてしまうという事故を起こしています。高校時代から大幅に体重が増加していて体型がシェイプされているとは言えず、コンディションへの懸念はかなり大きいです。また前例のないタイプのプレイヤーであり、現代NBAでどうフィットするかやや手探り感のある選手とも言えます。
とは言え、圧倒的な身体能力、高いスター性、スケールの大きさは疑いようがなく、怪我などの特段の事情がない限り1位指名されることは間違いありません。
Sekou Doumbouya
リモージュ(フランス1部リーグ)、6-9
主要スタッツ:19.0M 7.8P 3.3R 0.7A
予想指名順位:ESPN:9 draft.net:13 CBS sports:9 tankathon:9 the ringer:9
今年の謎海外リーグ枠の選手。6-9の身長で長いストライドを持ち運動能力が高く、荒削りではありますがハンドリング、シュート、ディフェンス全てにおいて高い素養を感じさせるスケールの大きなプレイヤーです。バスケを始めたのは12歳の時で、現在まだ18歳、身体的にも技術的にも無限の伸び代があり順調にいけばシアカムのような選手に成長するであろうことは想像に難くありません。
ただ現時点での完成度は高いとは言えず、また参考になる情報がやや少ないためまだ不明な点が多い選手。大成功大失敗どちらにも転ぶ可能性がありますが期待値はかなり高く今後の成長が楽しみです。
八村 塁
ゴンザガ大3年、6-8
主要スタッツ:30.2M 19.7P 6.5R 1.5A 59.1FG%
予想指名順位:ESPN:12 draft.net:14 CBS sports:18 tankathon:20 the ringer:23
もはや語る必要はないでしょう。日本人初のドラフト1巡目指名選手にして、今年のカレッジ最優秀SF(ただバレットと違いかなりPFよりなのでPF編の方に書きました)。高いアスレチック能力を持ったコンボフォワードで、PFの選手にはスピードで、SFの選手にはパワーでミスマッチを生み出せます。ファンダメンタルがしっかりしており、ポストでのフットワーク、ミドルレンジのシュート、カットプレーに長けP&Rのスクリーナーとしても優秀。1試合平均6本のFTを獲得し、eFG%が60%を超える効率のいい選手です。アメリカでのバスケ経験が3年しかなく、毎年大きくステップアップしてきておりまだまだ成長が見込める選手でもあります。
懸念材料としてはインサイド〜ミドルレンジ主体のプレイスタイルが現代NBAに適合するかがあげられます。3P%は3年次は41.7%の高確率だったものの1試合の平均試投数は1.0とサンプル数としては不十分で、FT%も悪くはありませんがフォームが硬くNBAのレンジに対応できるか不安視されています。SFとしてみるとハンドリングやシュート力が不足しており、DFも身体能力を考えるとまだまだ伸び代があります。
とは言え現時点での完成度も低くなくさらにまだまだ伸び代が残っていると考えられる選手。日本バスケの希望の星として大きな期待がかかります。
Brandon Clarke
ゴンザガ大3年、6-8
主要スタッツ:28.1M 16.9P 8.6R 1.9A 3.2B 68.7FG%
予想指名順位:ESPN:13 draft.net:20 CBS sports:13 tankathon:11 the ringer:11
八村の同僚でシーズン中盤から評価を上げてきた選手。サイズ、ウイングスパンともにPFとして平均以下ですが驚異的なジャンプ力(40インチ)と運動能力を持ち、オフェンスではジャンプ力を活かしたダンク、プットバックと合わせで高確率のシュートを決めていき、リム周りのムーブも上手くFG%は68.7%。ディフェンスではジャンプ力と平面のスピードを駆使してブロックとスティールを連発し特にブロックは1試合平均3.2本とNCAAで3位の数値。ファール数も平均2.1と少なくクレバーなディフェンダーと言えます。長所が非常にわかりやすいためそれを求めるチームは少なくないでしょう。
PJ Washington
ケンタッキー大2年、6-8
主要スタッツ:29.3M 15.2P 7.5R 1.8A 1.2B
予想指名順位:ESPN:16 draft.net:18 CBS sports:16 tankathon:12 the ringer:10
優れたアスリートではありませんが、サイズの不利を感じさせない厚みのある体を活かしたポストプレーや7-2の長い手を活かしたフックシュート、オフェンスリバウンドが持ち味の選手。速攻のフィニッシャーとしても優れており、アウトサイドからの攻めも昨年より向上し3Pは平均2.2本放って成功率42.3%と優秀。
Grant Williams
テネシー大3年、6-8
主要スタッツ:31,9M 18.8P 7.5R 3.2A 1.1S 1.5B
予想指名順位:ESPN:30 draft.net:34 CBS sports:37 tankathon:23 the ringer:20
八村、モラントと共に大学最優秀選手賞の最終候補に選ばれた選手。厚みのある体の優れたインサイドスコアラーで、スピンムーブ、フックシュート、ターンアラウンドを駆使して得点を稼ぎます。FTも1試合平均7本獲得し成功率80%と優秀。また非常に視野が広く平均アシストは3.2とプレイメイカーとしての素質にも恵まれています。
Luka Samanic
主要スタッツ:18.4M 8.0P 4.8R 0.9A
予想指名順位:ESPN:28 draft.net:27 CBS sports:26 tankathon:25 the ringer:36
今年のユーロストレッチ4枠。外のシュートはもちろん上手ですがそれに加えて機動力とハンドリングもビッグマンとしては優秀です。積極的にゴールへとアタックする姿勢があるのも好印象。ユーロ選手にありがちなフィジカル面の問題が克服できればNBAでも活躍できるでしょう。
Mfiondu Kabengele
フロリダ州立大2年、6-10
主要スタッツ:21.6M 13.2P 5.9R 0.3A
予想指名順位:ESPN:23 draft.net:10 CBS sports:23 tankathon:30 the ringer:30
NCAAトーナメントで大きく評価を上げた選手。6-10の身長に7-3のウイングスパンと屈強な肉体を持ち、オフェンスリバウンドは40分換算で4.0本を奪取します。ポストから得点を奪うことも外からシュートを打つことも可能な選手で、40分換算で9本獲得するFTは75%と高確率。守備に関しては40分換算2.8本のブロックで存在感を発揮します。状況判断や一貫性が不安視されることもありますが優れたフィニッシャー兼ブロッカーとして1巡目指名が濃厚です。あと全く関係ないですがムトンボの甥です。
その他候補: Chuma Okeke, Nicolas Claxton, Jontay Porter, Eric Paschall
後半は時間がなかったこともありかなり端折った上に校正もしていないので読み辛い部分があったかもしれませんがご了承下さい。ドラフトナイトは明日ですがなんとか残りのC編間に合わせたいです。 あとこれを書いてる途中にトロント・ラプターズが初優勝を果たしました。おめでとうございます。